ヘルニアの手術方法は?退院までどのくらい期間がかかるの?
2018/06/09

ヘルニアというと、腰の痛みである椎間板ヘルニアをイメージする方が多いのではないでしょうか。
しかし、椎間板ヘルニアのほかにも、さまざまなヘルニアが存在します。
今回は、ヘルニアの手術や、回復するまでの期間についてお話します。
手術も、いろいろな方法がありますよ。
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Contents
ヘルニアには種類がある?!
ヘルニアといっても、種類があることをご存知でしょうか。
それぞれの特徴とともに、解説していきます。
▽鼠径(そけい)ヘルニア
腹部のヘルニアの約8割は鼠径ヘルニアです。
足の付け根にあり、鼠径部にある鼠径管から、腹膜や腸が飛び出すことで起こります。
飛び出た場所が鼠径部の外側であると外鼠径ヘルニアで、鼠径ヘルニアのなかでは最も多く、乳幼児にも発生します。
一概にはいえませんが、男児に多い傾向があるようです。
小さな子どもがヘルニアだと診断されたら、心配になりますよね。
主な症状の特徴は、不快感や引っ張られるような痛みを伴い、早めの外科的治療を要します。
反対に、内側から出ているのであれば内鼠径ヘルニアと呼びます。
また、太ももから出てきた場合は、大腿ヘルニアです。
▽腰椎椎間板ヘルニア
背中側にできるヘルニアです。
骨と骨の間のクッションの役割りがある椎間板の髄核が飛び出してしまった状態です。
椎間板の後方には神経が通っているため、この神経がヘルニアによって圧迫されてしまうと、痛みやしびれ、麻痺などを引き起こしてしまいます。
これらのヘルニアを治療するためには、手術が必要なのでしょうか。
また、どのくらいの期間の治療になるのでしょうか。
鼠径部のヘルニアの手術
鼠径ヘルニアは、乳幼児に起こる病気と先ほどお伝えしましたが、成人もかかる病気でもあります。
ただ、乳幼児とは鼠径ヘルニアになる原因が異なるため、治療方法も違いが見られます。
成人の鼠径ヘルニアの原因としては、以下のようなことです。
・咳をよくする
・妊娠中
・過剰な運動
・重い荷物を運ぶ職業
・立ち仕事が多い職業
・肥満
・喘息
・便秘
・慢性肺疾患
このような環境で、鼠径ヘルニアになるリスクが上がるといわれていています。
そして、成人の場合は経過観察で自然の治ることは難しいため、手術が必要になってきます。
手術となると、どんなことをするのか、気になりますよね。
従来の手術方法としては、ヘルニア(飛び出している部分)を糸で引き寄せて、縫い合わせていきます。
また、手術の時間短縮にもなるプラグ法もあります。
プラグ法は、ポリプロピレン製のプラグを筋膜が弱い場所に入れて、飛び出さないように出口を塞ぐ方法です。
こうした、出口を塞ぐ方法はいくつかあり、手術における回復期間も短いことから、早期の社会復帰が可能といった特徴があります。
手術から回復するまでの期間は?
では、鼠径ヘルニアのおおまかな手術の流れを見ていきましょう。
はじめに、検査を行います。
手術自体は、40分ほどで終わることがほとんどです。
麻酔をして行うため、手術直後は麻酔による頭痛や吐き気が残ることもありますが、手術の翌日から歩行ができます。
入浴は手術を行ってから3日後ほどの場合が多いようです。
もし、デスクワークなどの仕事であれば退院後から可能です。
ちょっとした運動であれば2週間後、力を使う仕事は1ヶ月後から行えます。
ただ、回復期間に関しては個人差もあるため、必ず医者の指示に従いましょう。
早く仕事に復帰したいと思う方は、「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術法」を検討している方も、いらっしゃるかもしれません。
開腹しない手術で、腹腔鏡を5mm以下の穴を開けたところから入れて、テレビモニター越しに治療していきます。
傷が小さくわりと回復が早い、入院期間も短いといった面がありますが、開腹手術より手術時間自体は長くなります。
頻度は少ないですが、重篤な合併症が生じる可能性もあることを踏まえて、一度考えてみましょう。
炎症をおさえないとヘルニアの痛みは軽減しない
ヘルニアは、身体の一部を押してみても、さほど痛みはありません。
しかし、赤く腫れあがって炎症している状態になると、少し触れただけでも痛みを感じるようになってしまいます。
椎間板ヘルニアも同じことがいえて、治療すべきことは飛び出したヘルニアを引っ込めることではなく、炎症のあるところを止めることです。
そうしなければ、痛みを軽減する解決には至りません。
ヘルニアの手術を受けた人と受けなかった人の研究報告によれば、術後1年では手術をした方が良い結果が出ているようなのです。
ただ、驚くことに術後4年ほどになると、手術を受けた人と受けなかった人の差はほとんどなくなっていたという研究内容です。
椎間板ヘルニアの場合は急いで手術を受けなくても手遅れになるということは少ないため、本人が手術を受けようと決意したときに受けるべき手術といえます。
しかし、そうはいっても、筋肉の麻痺や尿失禁、膀胱直腸障害などの可能性も軽視できません。
そのような前兆、もしくは疑いがある場合は手術を受けるか決める期間を設けるよりも、一刻も早く手術を受けることが重要になってくるのかもしれません。
回復期間が早い椎間板のヘルニアの手術方法
従来の椎間板ヘルニアの手術は50~70mmほど切開しますが、内視鏡下腰椎椎間板摘出術(MED)の場合は、18~20mm程度と、大幅に小さくすることができます。
切開部分が小さいため術後の痛みが軽く、回復期間も早いため入院している期間も4~7日くらいです。
背骨を手術するため、「将来車いすになるのでは?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、これまでの手術の例では、車いすや亡くなった方はいらっしゃいません。
また、傷口の直径が7mmのPELD手術では身体への負担が少なく、術後の痛みも軽いといった特徴です。
手術自体はうつ伏せ、または横向けで行い、全身麻酔での手術になります。
最小で背中の筋肉を剥がすため、脊柱の働きを損なうことのリスクが非常に少ないことがメリットとしてあります。
ただし、条件があります。
・椎間腔が狭い
・脊柱管狭窄している
・ヘルニアが大きすぎる方
・以前、同じ箇所のヘルニア手術を受けたことある
以上に当てはまる方はPELD手術ができません。
入院期間の短いエンスパイヤーとPLDD手術
エンスパイヤー(enSpire)は、腰椎椎間板ヘルニア手術をするときに使う、針のことです。
椎間板の中心である髄核に針を刺して、髄核を削る手術を行います。
針を刺すだけなので、ほとんど傷口が目立ちません。
注射をしたような傷跡のため、絆創膏で塞げてしまいます。
日帰りや、入院期間も1泊2日と短いため、早期の社会復帰が実現できる方法です。
ただし、、健康保険非適応であるため、費用が高いといった面もあります。
また、PLDD手術は、レーザーファイバーを椎間板の髄核に刺し、レーザーを照射する手術方法です。
原則、2日間の入院期間が必要となりますが、従来の手術だと2週間は入院することになるため、比べてみると一目瞭然です。
元のライフスタイルに早く戻りたいという方にとっては、身体にもスケジュールにもダメージの少ない手術といえるでしょう。
悪いクセもなおそう
どの場所にあるのか、また自然治療で治癒するのかなどで、ヘルニアの治療方法が異なります。
痛みが続くようであれば、手術をする選択を迫られるかもしれません。
また、手術をしても、悪い姿勢でいると再発も免れません。
一度生活習慣を見直して、正しい姿勢を意識してみることも大切ですよ。